DeepentRESEARCH
//JA/EN
·更新 ·13 分·Deepent Research 編集部·English

OBLITERATUS とは?abliteration ツールキットの仕組みと配布モデルの選び方

MoE では拒否の集中具合が専門家ごとに違う。集中の大きい専門家を見つけて、そこだけを外せる

OBLITERATUS は、モデルごとに拒否の構造を観察してから重みを加工する abliteration 系のオープンソースツールキットです。6 段階の工程、MoE 対応、配布モデルの選び方まで、Dolphin・huihui-ai との違いも交えて解説します。

この記事の要点

  • OBLITERATUS は、モデル内部の拒否構造を観察してから加工するツールキットです。
  • 分析から検証まで 6 段階の工程を踏み、MoE モデルの専門家ごとの加工にも対応します。
  • 完成モデルの配布だけでなく、利用者が自ら加工強度を調整できる点に特徴があります。
目次
  1. 1. OBLITERATUS とは何者か?
  2. 2. 手法の特徴は何か?
  3. 3 つの流儀の違い
  4. 6 段階の工程
  5. MoE 対応——専門家ごとの診断
  6. 元に戻せる加工
  7. 3. どんなモデルが配布されているのか?
  8. 「2 段階方式」のモデル
  9. 4. 配布モデルはどう選べばいいのか?
  10. 5. OBLITERATUS にはほかにどんな特徴があるか?
  11. 6. Deepent Research について
  12. よくある質問
  13. 免責

拒否しない AI モデルを探していると、OBLITERATUS という名前に行き当たります。
2026 年春に公開されたオープンソースのツールキットで、拒否がモデルのどこにどのくらいの強さで書き込まれているかを先に調べてから、除去の強度を選んで重みを加工するのが特徴です。

Dolphin・huihui-ai・OBLITERATUS は、拒否しないモデルの作り方がそれぞれ違います。


1. OBLITERATUS とは何者か?#

OBLITERATUS の本体は、
拒否挙動を取り除いた open-weight モデルを制作するためのオープンソースツールキットです。

open-weight とは、
モデルの重み(学習の結果として刻まれた数値の集まり)が公開されていて、
誰でもダウンロードして自分の環境で動かせる形式のことです。

OBLITERATUS は、その重みに直接手を入れるための「道具箱」だと考えてください。

開発は GitHub 上の elder-plinius/OBLITERATUS で行われ、
2026 年春(3 月前後)に公開されました。
作者は「Pliny the Prompter」の名で知られる人物です。
手順そのものは誰でも読んで検証できます。

Dolphin と huihui-ai は、作ったモデルを配る存在でした。
OBLITERATUS は道具そのものを配る存在です。
それぞれの詳細は Dolphin 系モデルとは? と huihui-ai とは? にまとめています。
この道具で作られたモデルの配布もありますが、母体はあくまでツールキットで、
誰かの作品を待たずに自分で加工できるようにすることにプロジェクトの重心があります。

思想の核は、次の一文です。

モデルの振る舞いは、学習の時点で決め打ちされるべきではない。
配布する側・使う側が決めるものだ。

ふつう AI モデルは、学習(いわば新人研修)の段階で「何に答え、何を断るか」が決められ、
その判断ごと完成品として配られます。
利用者は、その設定を受け入れるしかありません。
OBLITERATUS は、拒否の設定は配る側・使う側が後から変更できるはずだと主張します。

この主張には学術的な裏づけがあります。
2024 年に Arditi らの論文が「拒否は 1 方向に媒介される」ことを示しました。
拒否という一見複雑な振る舞いが、重みの中のたった 1 つの方向(膨大な数値の並びの中にある、特定の「傾き」)に書き込まれているという発見です。
その方向を特定して取り除けば、拒否だけを外科手術のように摘出できます。
完成したモデルの重みを直接編集して拒否の挙動を取り除くこの手法が abliteration(アブリテレーション)で、OBLITERATUS はこの研究を誰でも再現できる工程に落とし込んでいます。

2. 手法の特徴は何か?#

OBLITERATUS の核心は、
拒否の構造をモデルごとに調べてから、狙った部分だけを外す「診断つきの加工」にあります。
拒否がどこに、どれだけ書き込まれているかはモデルごとに異なるため、
従来の abliteration が「拒否の方向」を一括で抜くやり方だったのに対し、OBLITERATUS は観察を工程の中心に置きました。

3 つの流儀の違い#

流儀代表アプローチたとえるなら
教育寄りDolphinファインチューニング(追加学習)で応答方針を教え込む教科書を作り直す
工房huihui完成モデルに abliteration を施し、素早く配布量産対応の整備工場
外科手術OBLITERATUSモデルごとに拒否の構造を調べてから除去画像診断つきの手術

huihui が速さと網羅性を重視するのに対し、OBLITERATUS は精度と再現性を重視する道具です。

6 段階の工程#

OBLITERATUS の処理は、次の 6 段階で進みます。

  1. 分析 — 対象モデルの構造を読み取る
  2. 探査 — 拒否の挙動がどの部分に集まっているかを探る
  3. 抽出 — 拒否に関わる成分を特定する
  4. 除去 — 特定した成分を重みから取り除く
  5. 検証 — 拒否が消えたか、能力が保たれているかを確認する
  6. 出力 — 加工済みモデルを書き出す

「除去」は工程全体の 6 分の 1 にすぎず、
名前は OBLITERATE(消し去る、という意味の英単語)ですが、実態は観察と確認に多くの工程を割くツールです。

除去の強度も、控えめな 1 パスから複数回かけ直す強めの設定まで段階で選べます。
強くかけすぎるとモデル本来の能力まで削りかねないため、調整の余地が用意されています。

除去の強度をモデルごとに自動調整する発想は、先行ツール Heretic(2025)が先駆けでした。
Heretic は、試行結果から次の設定を効率よく決める手法(ベイズ最適化)で強度を決めるツールで、OBLITERATUS はその延長線上に位置します。
Heretic が自動で強度を決めるのに対し、OBLITERATUS は観察した結果をもとに人が決める方向に重心を置いています。

MoE 対応——専門家ごとの診断#

目玉の 1 つが MoE 対応です。
MoE(Mixture of Experts)は、複数の小さな「専門家」モデルを束ね、入力に応じて使う専門家を切り替える構造で、近年の大規模モデルで採用が増えています。

MoE では、拒否の構造が専門家ごとに散らばります。
OBLITERATUS は「どの専門家に拒否が集中しているか」を分けて見られるため、どこを外すべきかを専門家単位で判断できます。

元に戻せる加工#

加工作業の一部は一時的な差分として保持でき、仕上がりが悪ければ巻き戻せます。
これが reversible(元に戻せる)加工です。

一括で書き換える方式では、やり直しは最初からのやり直しを意味します。
OBLITERATUS では「試す→戻す→条件を変えて再挑戦」のサイクルを回せます。

3. どんなモデルが配布されているのか?#

OBLITERATUS はツールだけでなく、加工済みモデルそのものも配布しています。
Hugging Face の OBLITERATUS プロファイルには、2026 年 8 月時点で約 10 本が並んでおり、
名前はいずれも「〜-OBLITERATED」で統一されています。

ラインナップの中心は Qwen 系です。

  • Qwen3.8-27B — 中規模の汎用モデル
  • Qwen3-4B — 手軽に試せる小型
  • コーダー系 7B — プログラミング向け

ほかにも、Gemma-4-12B、Mistral-7B、
DeepSeek-R1 の蒸留版 8B(大きなモデルの振る舞いを小さなモデルに写し取ったもの)、GPT-2 XL などが並びます。
小〜中規模の、個人のマシンでも手に取りやすいサイズがそろっているのが特徴です。

「2 段階方式」のモデル#

一部のモデルでは、2 段階方式が案内されています。
1 回目の加工で拒否の構造を外したあと、2 回目で元の重みと混ぜ合わせて、失われた能力を取り戻す方式です。

「拒否を外す」と「能力を保つ」は綱引きの関係にあり、
これを 1 回で両立させようとせず、2 回に分けて調整しています。

配布状況は変わり、新しいベースモデルが登場すればラインナップも入れ替わります。
最新の一覧は、Hugging Face の OBLITERATUS プロファイルで確認してください。

4. 配布モデルはどう選べばいいのか?#

選ぶ基準は、流儀の好みよりも、そのモデルに何をしたかが記録されているかどうかです。
配布モデルを選ぶ側の視点で、2 つの流儀を並べ直します。

ファインチューニング系(Dolphin の流儀)は、学習データの段階から作り込まれています。
振る舞いが安定している一方、内部で何が起きているかは外から見えにくく、配布者のデータ設計への信頼が前提になります。

abliteration 系(完成モデルを後から加工する流儀)は、もとの標準モデルという比較対象があります。
「元と何が変わったか」を測りやすいのが利点ですが、
加工の巧拙は制作者次第で、雑な除去はモデルの賢さそのものを削ります。

OBLITERATUS 系の配布モデルでは、加工の手順と検証結果がメタデータとして残されています。
6 段階の工程(分析→探査→抽出→除去→検証→出力)を踏み、除去の強度や「2 段階方式」の有無を明記しているため、利用者は何をされたモデルかをたどれます。

選ぶときの順番は、①サイズで絞る → ②出自で見る → ③記録で選ぶ、の 3 段階です。

  • ① サイズで絞る — 手元のメモリに収まるかを先に確認します
  • ② 出自(流儀)で見る — 教育(Dolphin)・工房(huihui-ai)・外科手術(OBLITERATUS)で性格が変わります
  • ③ 記録で選ぶ — 加工の手順・除去の強度・検証の有無が明記されているかを確認します

ベンチマークの数字でも制作者の知名度でもなく、そのモデルについて実測が存在するかどうか。

abliteration は原理上「やりすぎ」が起きえます。
削りすぎたモデルは、拒否しない代わりにまともに答えられなくなるため、
加工後に検証を回した記録、つまり実測があるかどうかを最初に確認してください。
記録を残している制作者のモデルを選ぶのが、いちばん確実な選び方です。

5. OBLITERATUS にはほかにどんな特徴があるか?#

OBLITERATUS は「拒否を外す」という行為を、個人の秘伝にとどめず、再現と検証の対象にしようとしています。
目立つ仕組みは 2 つあります。

  • telemetry — 実行データを匿名で集めてコミュニティの研究データセットにする仕組みです。誰かの一回の作業が、そのまま全員の観察記録に積み上がる形を目指しています
  • Web 面 — ブラウザからクリックで実行できるため、専門家でなくても構造を眺められます

この思想がコミュニティに何をもたらすかの評価は、まだ定まっていません。
集まったデータが今後どう研究に使われていくかも、公開情報の範囲では不明な点が残ります。
現時点で確かなのは、配布モデルにメタデータを明示し、作業記録を共有資産にしようとする動きが出てきたことです。

6. Deepent Research について#

私たち Deepent Research は、回答を極限まで拒否しない LLM チャットサービスです。標準の AI では途中で止まってしまう調べものを、最後まで続けられるように作りました。

  • 拒否しない。LLM のガードレールを徹底的に軽減した uncensored・abliterated モデルを採用。標準の AI が「お答えできません」と打ち切る問いにも答えます(Qwen3.5 / Qwen3.8-27B-abliterated 系をプランに応じて使い分け)
  • 入力は学習に使わない。調べた内容はサービス提供のためにのみ使われ、AI の学習や他の目的には使用されません。個人情報も厳重に保護し、プライバシーポリシーを公開しています
  • 無料で試せる。GPU もインストールも不要、ブラウザを開くだけ。未ログインのお試しは会話が保存されないので、気軽に始められます

→ 登録なしで無料トライアル: https://deepentresearch.com

「どんな問いも、リサーチを止められない」。

No question can stop research.

よくある質問#

OBLITERATUS は自分でも使えますか?#

使えます。
オープンソースのツールキットとして GitHub で公開され、手順は誰でも読んで検証できます。

abliteration でモデルの賢さは失われますか?#

強くかけすぎると、モデル本来の能力まで削りかねません。
OBLITERATUS は除去の強度を段階で選べ、検証の工程を挟む設計です。

MoE モデルにも対応していますか?#

対応しています。
拒否がどの専門家に集中しているかを分けて見て、専門家単位で外す部分を判断できます。

huihui-ai との違いは何ですか?#

huihui-ai は加工済みモデルを配る「工房」です。
OBLITERATUS は道具そのものを配り、手順と検証結果を記録として残します。

免責#

本記事は、AI による下書きをもとに、運営が事実関係を確認・加筆・編集して公開しています。
本記事は教育・研究目的の情報提供であり、違法行為や犯罪の助長を意図するものではありません。
数値は第三者の公開レポートおよび配布元の公表値であり、測定条件により変わることがあります。

本記事の編集と検証

公式ドキュメントや論文などの一次情報と照合し、客観的な事実に基づいて整理しています。

本記事は、AI による下書きをもとに、運営が事実関係を確認・加筆・編集して公開しています。

Deepent Research 編集部·最終更新 ·運営者情報 →

関連ノート

この仕組みを、試す

Deepent Research は、回答を極限まで拒否しない LLM チャットサービスです。この記事で扱ったモデルと技術を、ダウンロードなしでそのまま試せます。