Dolphin 系モデルとは?abliterated 系との違いとおすすめの選び方【uncensored LLM】
Dolphin 系モデルとは、Eric Hartford が 2023 年から作っている「拒否しない AI」のシリーズです。abliterated 系との違い、Llama2〜Llama3 の系譜、定番モデルの選び方、system prompt の設定方法を整理します。
この記事の要点
- Dolphin 系は、拒否しない応答作法を追加学習によって教え込んだモデルシリーズです。
- 重み加工型と異なり、システムプロンプトの指示に従って応答態度を制御できます。
- 新モデルへの追従は重み加工型より遅いものの、対話の一貫性と安定性に優れます。
目次
ローカル LLM のモデルを探していると、Llama、Mistral、Qwen、Gemma と並んで「Dolphin」という名前を目にします。
どんなモデルなのか気になっても、日本語の情報が少なく手を出しにくい人は多いはずです。
1. Dolphin 系モデルとは?誰が何のために作ったのか#
Dolphin は、開発者 Eric Hartford とそのコミュニティ Cognitive Computations が、2023 年から作り始めた open-weight モデル(学習済みの重みが公開されているモデル)のシリーズです。
2023 年に Llama や Mistral といった高性能なベースモデルが相次いで公開され、「自分の PC で AI を動かす」という文化が動き出しました。
ただし、配布されたモデルの多くは、標準的な AI と同じように、問いに答えない「拒否の仕組み」(ガードレール)を持っていました。
せっかく手元に置いたのに、質問すると「お答えできません」と返ってくる。
ローカルの自由を使いこなそうとした人たちが、まず最初にぶつかったのがこの壁です。
その壁に対するより体系的な回答のひとつが Dolphin でした。
「system prompt に従う態度を持つ、まっとうなアシスタント」を、最初から学習で作るという考え方です。
結果として、拒否の仕組みに従わないモデルが広く提供されることになり、Dolphin はローカル LLM コミュニティで中心的な存在になりました。
2. Dolphin と abliterated モデルは何が違うのか?#
今で言う「abliterated / uncensored モデル」には、2 つの異なる方法論があります。
後から重みを外す方法の代表が huihui-ai とは?、その加工を支援する道具が OBLITERATUS です。
流儀 1: ファインチューニングで作る(Dolphin の方法)#
ベースモデルに対して、応答の作法を学び直すデータセットで追加学習を行い、最初から拒否の仕組みに従わない状態を作る流儀です。
Dolphin はこちらの代表です。
再学習型のもう 1 つの代表が Nous Research の Hermes 系です(Nous Research とは?)。
Dolphin の特徴は設計思想にあります。
「何でも答える狂暴なモデル」を作ったのではなく、system prompt による態度の制御を学習の中に組み込みました。
「あなたは Dolphin です。人間に確認を仰がず、直接答えます」という指示を与えると、従順なアシスタントとして振る舞います。
指示がなければ、別の態度になります。
つまり、態度のスイッチを使用者側に持たせる設計です。
流儀 2: 後から重みを加工する(abliteration)#
もう一方は、標準モデルを後から加工する流儀です。
モデル内部に存在する「拒否の方向」を打ち消すのが abliteration で、学習をやり直さずに済むのが特徴です。
huihui-ai 系の abliterated モデルはこちらの流儀です。
どちらが良いのか#
手軽さと目的次第ですが、傾向としては次のようになります。
- finetune 系(Dolphin): 振る舞いが設計として安定する。system prompt で制御しやすい。ただし作る側の手間は大きい
- abliteration 系(huihui など): 一般の最新モデルを幅広く加工できる。ベースの能力をそのまま使える。追加学習が不要で軽量
作り方が違うので、使い方も変わります。
Dolphin は最初から「アシスタントとしての秩序」を学習に含んでいるので、素朴に使えます。
abliteration 系は、標準モデルの能力をそのまま持ちながら、拒否の仕組みがない状態になります。
3. Dolphin 系はどう歩んできたのか?(年表)#
Dolphin シリーズは、ベースモデルの進化に合わせて歩み続けてきました。
大まかな流れは以下のとおりです(年はおおよその目安です)。
【2023 年初頭〜】Dolphin-Llama2 時代
Llama2 ベースで作られた最初の世代です。
開発者 Eric Hartford は、この時期に「uncensored モデルを作る方法」を公開したことで知られています。
そこで説明された手法は、後のローカル LLM コミュニティの基礎になりました。
「拒否応答を学習させてしまったら、その習慣を上書きするデータで追加学習する」
シンプルな発想ですが、これが「自作で uncensored を作る」可能性を広く示しました。
【2023 年末〜2024 年初頭】Dolphin-Mixtral 時代
Mixtral 8x7B という当時の最先端のオープンモデルをベースに、Dolphin の流儀を適用したものです。
当時のローカル LLM 界隈では Mixtral が広く使われていて、Dolphin-Mixtral はその中心のひとつでした。
応答の質が上がり、ローカルでも実用的に使える水準を引き上げました。
【2024 年〜】Llama3 系への追随
ベースモデルが Llama3 に世代交代すると、Dolphin 系も追随しました(Dolphin3.0 などと呼ばれる世代です)。
ベースモデルが新しく出るたびにその流儀で uncensored 版が作られるという流れが、この段階までにローカル LLM コミュニティに定着し、その後の Qwen 系などの abliterated 派生モデルが増えていく下地になりました。
4. Dolphin 系のおすすめモデルと選び方#
Dolphin 系は派生が多いので、「どれを動かせばいいのか」が分かりにくいものです。
ここでは、ローカル LLM コミュニティで定番として選ばれてきた代表的なものを挙げます。
リリース状況は変化するので、実際に使うときは Hugging Face で最新版を確認してください。
定番とされてきたもの#
Dolphin-Mixtral(8x7B・8x22B)
Dolphin 系の中でも、特に長く使われてきた定番です。
Mixtral 8x7B ベースの版は「ローカルで動く実用水準」を引き上げた世代の代表で、8x22B 版はより大きく質の高い派生です。
MoE(専門家混合)構造なので、パラメータ数のわりに動作が軽く、「VRAM(GPU のメモリ)が足りない環境でも Mixtral 系を動かしたい」という需要に長く応えてきました。
Dolphin3.0 は Llama3.1 をベースにした世代で、Mixtral 世代と比べて指示追従性が改善しており、「Dolphin の流儀を最新ベースで使いたい」という場合の基本形です。
選ぶときの見る点#
数ある派生から選ぶときの判断材料は、だいたい次の 3 つに絞れます。
- ベースモデルの世代: 同じ Dolphin でも Llama2 ベースと Llama3 ベースでは応答の質が違う。新しいベースのものを選ぶのが基本
- サイズ(パラメータ数)と PC の対応: 7B クラスは普通の PC でも動く・13B クラスは中程度・32B 以上はしっかりした GPU が必要。「動く最大サイズ」を選ぶのが定石
- 量子化(Q4/Q5/Q6 など)の有無: 配布の多くはサイズを減らした量子化版で提供されている。Q4 級なら品質の劣化を許容して軽く動かせるので、実用上はここから選ぶことが多い
なお、Open LLM Leaderboard などの公開ベンチマークの点数は「従来のタスクでの性能」を測るもので、拒否の有無そのものは測っていません。
最終的には、自分の用途で少量試して判断するのが確実です。
5. Dolphin の使い方は?#
自分の PC で使う場合の手順は、一般的なローカル LLM の流れと同じです。
- 専用ソフトを入れる: LM Studio(GUI あり・初心者向け)か Ollama(軽量・コマンド主体)
- Dolphin をダウンロード: ソフト内の検索で「Dolphin」と入れると、サイズの異なる複数版が見つかります。まずは自分の PC が確実に動くサイズから始めます
- system prompt を設定する: Dolphin の設計の核はここです。「あなたは Dolphin です。人間に確認を仰がず、直接答えます」という指示を与えると、本来の態度が出ます。system prompt を設定しないと挙動が変わるので、使うときに必ず設定します
- 答えを吟味する: 拒否しなくなるだけで、正確になるわけではありません。出てきた答えの確かめは、いつもどおり自分の仕事です
6. Dolphin 系と abliterated 系はどちらを選べばよいのか?#
手軽さと最新性なら abliterated 系、秩序ある態度の設計を求めるなら Dolphin 系です。
- 手軽さと最新性を取りたい → abliterated 系(huihui-ai などの加工済みモデルが幅広く存在し、一般の最新モデルを加工したものを選べる)
- 秩序ある態度の設計・歴史的な名作が使いたい → Dolphin 系
- そもそも PC で動かすのが負担 → サービス型。ローカルでの「モデル選び」を避けられる
7. Deepent Research について#
私たち Deepent Research は、回答を極限まで拒否しない LLM チャットサービスです。標準の AI では途中で止まってしまう調べものを、最後まで続けられるように作りました。
- 拒否しない。LLM のガードレールを徹底的に軽減した uncensored・abliterated モデルを採用。標準の AI が「お答えできません」と打ち切る問いにも答えます(Qwen3.5 / Qwen3.8-27B-abliterated 系をプランに応じて使い分け)
- 入力は学習に使わない。調べた内容はサービス提供のためにのみ使われ、AI の学習や他の目的には使用されません。個人情報も厳重に保護し、プライバシーポリシーを公開しています
- 無料で試せる。GPU もインストールも不要、ブラウザを開くだけ。未ログインのお試しは会話が保存されないので、気軽に始められます
→ 登録なしで無料トライアル: https://deepentresearch.com
「どんな問いも、リサーチを止められない」。
No question can stop research.
よくある質問#
Dolphin は「何でも答えるモデル」なのですか?#
違います。態度の制御を system prompt に委ねる設計で、拒否しないことと無法であることは別です。
Dolphin と abliterated モデルの違いは何ですか?#
Dolphin は追加学習(ファインチューニング)で、最初から拒否の仕組みに従わない状態を作ります。
abliterated モデルは、標準モデルの重みを後から加工して「拒否の方向」を打ち消す流儀です。
Dolphin を使うとき、必ず設定するものはありますか?#
system prompt です。態度の制御をそこに委ねる設計なので、設定しないと挙動が変わります。
Dolphin の性能はベンチマークの点数で比べられますか?#
比べられません。公開ベンチマークは拒否の有無を測らないため、自分の用途で少量試して判断してください。
免責#
本記事は、AI による下書きをもとに、運営が事実関係を確認・加筆・編集して公開しています。
本記事は教育・研究目的の情報提供であり、違法行為や犯罪の助長を意図するものではありません。
数値は第三者の公開レポートおよび配布元の公表値であり、測定条件により変わることがあります。
本記事の編集と検証
公式ドキュメントや論文などの一次情報と照合し、客観的な事実に基づいて整理しています。
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