Gemma 4 abliterated はどれを選ぶ?26B MoE と 31B の違いと拒否率
Gemma 4 abliterated は配布元ごとに加工範囲や拒否率が違います。26B-A4B MoE と 31B の違いを軸に、llmfan46・TrevorJS・SevenOfNine の公表値や KL ダイバージェンスを比べ、PC 環境別の選び方を整理します。
この記事の要点
- Gemma 4 の拒否解除版は、26B MoE と 31B dense の 2 系統が中心です。
- 配布元によって加工範囲や手法が異なり、拒否率や KL 値に差があります。
- 拒否の低さを優先するか元の性能維持を重視するかで、適切な配布版が分かれます。
目次
医学やセキュリティの調べもの、研究調査で AI を使っていると、
正当な質問なのに「安全基準によりお答えできません」と回答を止められることがあります。そうした過剰な拒否を避けるために、
自分の PC で動かせる「回答を拒否しない AI」を探す人は少なくありません。
その選択肢のひとつが、
Google が公開したオープンウェイトモデル「Gemma 4」の検閲を外した版です。Hugging Face や Ollama で「検閲なし(uncensored)」や「abliterated」を検索すると、
Gemma 4 をベースにしたものがいくつも見つかります。
ただ、配布ページを開くと「26B-A4B」「31B」といった複数のサイズがあり、
さらに複数の開発者が別々の加工をした版を公開しているため、
どれを手元の PC に入れればよいのか迷います。
0. Gemma 4 とはどんなモデルか?#
Gemma 4 は、Google が 2026 年 4 月 2 日に公開したオープンウェイトモデル(内部の重みが公開され、誰でも取得して動かせるモデル)です。ライセンスは Apache 2.0 です。
サイズは全部で 5 つあり、
ローカルで動かす候補の中心は「26B-A4B」と「31B」の 2 つです(軽量な選択肢として E4B もあります)。この 2 つは内部の構造が異なります。
- 26B-A4B(MoE 構成) — 総パラメータ数は 25.2B ですが、応答時に動くのは 3.8B です。MoE(Mixture of Experts: 質問の内容に応じて一部の計算ユニットだけを動かす仕組み)を採用しており、30 層の構造で、128 基の専門家のうち 8 基が選ばれ、1 基の共有専門家と組み合わさって動作します
- 31B(dense 構成) — パラメータ数は 30.7B、60 層のモデルです。dense は応答のたびにすべてのパラメータを使う方式です
どちらも最大 256,000 トークン(256K)のコンテキスト(一度に読み込める文章の長さ)に対応し、
140 以上の言語を扱えます。回答の前に推論の過程を出力する thinking モードを備え、
テキストに加えて画像も入力できます。
公開時点(2026 年 4 月 2 日)の Arena(チャット評価の指標)のテキストスコアは、
31B が 1452、26B-A4B が 1441 です。
詳細は Google の発表 と Gemma 4 モデルカード に記載されています。
参考: uncensored と abliterated の違い
1. 検閲なし Gemma 4 とは何か? abliterated は何をしているのか?#
Gemma 4 の素の instruct(指示追従)版は拒否が強く、
配布元の拒否テストでは 100 問中 99〜100 問で回答を拒否されています。
この拒否は悪用を防ぐための設計ですが、
薬物の相互作用の確認、犯罪事例の法的な調査、
脆弱性の検証など、正当な調査や研究の場面でも質問が断られ、
作業が止まってしまいます。
この拒否を取り除く加工が「abliteration(アブリテレーション)」です。2024 年の Arditi らの研究(Refusal in LLMs is Mediated by a Single Direction)で、
大規模言語モデルの内部には「回答を拒否する振る舞い」に対応する特定の方向(ベクトル)があることが示されました。abliteration は、
モデルの計算からこの拒否の方向の成分を取り除く加工で、
再学習をせずに済む点がファインチューニングとは異なります。
参考: abliteration(アブリテレーション)とは?「拒否しない AI」を作る仕組みをやさしく解説
加工の仕上がりを見る指標が「KL ダイバージェンス」です。加工後のモデルの出力が元のモデルからどれだけずれたかを表す値で、
小さいほど元のモデルの出力に近いことを意味します。公表値を読むときは、
KL ダイバージェンスが 0.05〜0.12 なら、
能力を保ちながら大半の拒否を外せている水準の目安になります。
加工ツールの Heretic には ARA という方式があり、
MoE 向けには専門家ごとに加工する EGA という方式もあります。どちらを使うかは配布元によって違います。
2. 検閲なし版にはどんな種類があるか?#
「Gemma 4 abliterated」とひとくくりに呼ばれていても、
配布元によって使った道具、
加工した層の範囲、公表されている数字が違います。ベースモデルが同じでも、
実質的には別々のモデルです。
31B dense 向けの加工版#
- llmfan46 版(gemma-4-31B-it-uncensored-heretic) — Heretic v1.2.0 を使い、ARA 方式で第 30〜48 層の自己注意層の出力(attn.o_proj)を加工しています。KL ダイバージェンスは 0.0541、拒否テストは元の 99/100 から 10/100 に下がりました。7,021 問の MMLU(知識を測るベンチマーク)では元モデルの 86.50% に対して 85.90% でした。Q4_K_M(約 17.4GB)などの GGUF 形式が配布されています
26B-A4B MoE 向けの加工版#
26B-A4B は配布元が多く、加工の方針もそれぞれ違います。
- llmfan46 heretic 版(gemma-4-26B-A4B-it-uncensored-heretic) — Heretic v1.2.0 の ARA 方式で第 1〜30 層を加工した版です。KL ダイバージェンスは 0.0468、拒否テストは元の 100/100 から 11/100 に下がりました。Q3_K_M から BF16 までの量子化ファイルが提供されています
- llmfan46 ultra 版(gemma-4-26B-A4B-it-ultra-uncensored-heretic) — 同じく ARA 方式で、拒否をさらに減らした版です。拒否テストは 3/100 まで下がりましたが、KL ダイバージェンスは 0.1237 と高めです
- TrevorJS 版(gemma-4-26B-A4B-it-uncensored) — 重みの大きさ(ノルム)を保つ biprojection 方式に加えて、MoE の専門家ごとに加工する EGA(OBLITERATUS)で 128 基の専門家すべてを加工しています。mlabonne の 100 問のテストでは拒否が 98 件から 1 件に減り、4 つのデータセット計 686 問のテストでも拒否は 5/686(0.7%)でした。KL ダイバージェンスは 0.09 です。配布元の記録では、専門家以外の dense 部分だけを加工した段階では拒否が 29/100 残っていて、EGA で専門家まで加工すると 3/100 に下がったとされています
- SevenOfNine 版(Gemma-4-26B-A4B-It-Abliterated) — Heretic を bf16(フル精度)で動かし、200 回の試行で最適化した版です。KL ダイバージェンスは 0.0845 で、明確な拒否の 82% を除去したと報告されています
E4B 向けの加工版#
- InfinimindCreations 版(gemma-4-E4B-it-uncensored) — 全 42 層に biprojection 加工をした軽量版です。656 問の拒否テストで拒否は 0 件(元モデルは 99/100)、KL ダイバージェンスは 0.068 と公表されています。GGUF 版もあります
| 版 | サイズ | 手法・範囲 | KL | 拒否テスト |
|---|---|---|---|---|
| llmfan46 heretic | 31B dense | Heretic v1.2.0・ARA/第 30〜48 層 | 0.0541 | 99/100 → 10/100 |
| llmfan46 heretic | 26B-A4B | Heretic v1.2.0・ARA/第 1〜30 層 | 0.0468 | 100/100 → 11/100 |
| llmfan46 ultra | 26B-A4B | ARA(拒否をさらに低減) | 0.1237 | → 3/100 |
| TrevorJS | 26B-A4B | biprojection + EGA(専門家 128 基) | 0.09 | 98 → 1/5/686(0.7%) |
| SevenOfNine | 26B-A4B | Heretic を bf16 で 200 回最適化 | 0.0845 | 明確な拒否の 82% を除去 |
| InfinimindCreations | E4B | biprojection/全 42 層 | 0.068 | 99/100 → 0/656 |
拒否を限界まで下げたいのか、
KL ダイバージェンスを低く抑えて元のモデルの出力に近い状態を優先したいのかで、
選ぶ版が変わります。26B-A4B なら、
拒否を最も減らしたい場合は ultra 版(3/100、KL 0.1237)、
KL ダイバージェンスを抑えたい場合は heretic 版(KL 0.0468)が候補です。
3. どのサイズを選べばよいか?#
手元のハードウェアと、応答速度と品質のどちらを優先するかで決めます。
- E4B(軽量) — メモリや VRAM が 8GB 前後の環境向けです。大きなモデルを動かす余裕はないが、検閲なしモデルの応答を手軽に試したい場合に向いています
- 26B-A4B MoE(速度と品質のつり合い) — VRAM が 16GB 前後の環境(GeForce RTX 4080 など)向けです。総パラメータは 25.2B ですが、応答時に動くのは 3.8B だけなので生成が速く、調べものをテンポよく進めたい場合に向いています
- 31B dense(品質重視) — VRAM が 24GB 前後の環境(GeForce RTX 3090 / 4090 や、大容量のユニファイドメモリを積んだ Mac など)向けです。すべてのパラメータを使う dense 構造で、品質を優先したい場合に向いています
迷った場合は、VRAM が 16GB 程度なら 26B-A4B、
24GB あるなら 31B dense を第一候補にしてください。
4. ローカルで動かすには何が必要か?#
Gemma 4 の abliterated 版をローカル PC で動かすには、
配布されている GGUF 形式(ローカル実行向けに重みを圧縮したファイル形式)をダウンロードし、
Ollama や llama.cpp などの実行ツールで読み込みます。
参考: ローカル LLM 入門
動かすときの目安は次のとおりです。
- 31B のメモリ — Q4_K_M のファイルが約 17.4GB あり、これに文脈を保持する作業領域が加わるため、VRAM は 24GB 程度を見込んでおくと余裕があります
- 26B-A4B のメモリ — Q4_K_M のファイルは約 16.8GB です。そのままでは 16GB の VRAM に収まらないため、一段小さい量子化を選ぶか、専門家をメインメモリに逃がす設定を使います
- 26B-A4B の実行例 — SevenOfNine 版の報告では、RTX 4080 Super(16GB VRAM)と 32GB RAM の環境で、llama.cpp に
-cmoeオプションを付けて Q5_K_M を動かし、秒間 34.5 トークンが出ています。16GB の GPU でも、専門家の計算をメインメモリ側に回せば実用的な速度が出る例です
手元に十分な GPU がない場合は、
TrevorJS 版のように Featherless などの推論サービスで提供されているものもあります。そこで挙動を確かめてから、
ローカル用のファイルをダウンロードする方法もあります。
5. 使う前に知っておきたいことは何か?#
- 拒否しないことと、正確であることは別です — abliterated 版は回答を止める仕組みを外しただけなので、事実と異なる内容(ハルシネーション)を出さない保証はありません。危険な内容にもそのまま答える分、数値や情報が正しいかどうかは使う側が確かめる必要があります
- 公表値は各配布元の自己測定です — 拒否率やベンチマークの数字は、配布元がそれぞれ用意した問題セット(100 問のテストや 600 問以上のテストなど)で測ったものです。配布元の違う数字を単純に並べて比べず、傾向をつかむ目安として読んでください
- 同じベース名でも配布元で別物です — 「Gemma 4 26B-A4B abliterated」と同じ名前でも、道具、削った層、専門家まで加工したかどうかが違います。ダウンロードする前に、配布者の名前、加工の詳細、公表されている KL ダイバージェンスを配布ページで確認してください
- thinking モードの出力を確認します — Gemma 4 の thinking モードでは、回答の前に推論の過程が出力されます。使うツールがこの出力をどう扱うか、設定を確認してください
Deepent Research について#
私たち Deepent Research は、回答を極限まで拒否しない LLM チャットサービスです。標準の AI では途中で止まってしまう調べものを、最後まで続けられるように作りました。
- 拒否しない。LLM のガードレールを徹底的に軽減した uncensored・abliterated モデルを採用。標準の AI が「お答えできません」と打ち切る問いにも答えます(Qwen3.5 / Qwen3.8-27B-abliterated 系をプランに応じて使い分け)
- 入力は学習に使わない。調べた内容はサービス提供のためにのみ使われ、AI の学習や他の目的には使用されません。個人情報も厳重に保護し、プライバシーポリシーを公開しています
- 無料で試せる。GPU もインストールも不要、ブラウザを開くだけ。未ログインのお試しは会話が保存されないので、気軽に始められます
→ 登録なしで無料トライアル: https://deepentresearch.com
「どんな問いも、リサーチを止められない」。
No question can stop research.
よくある質問#
Gemma 4 abliterated は Google 公式のモデルですか?#
公式のモデルではありません。
Google が Apache 2.0 ライセンスで公開したオープンウェイトモデル Gemma 4 をもとに、
コミュニティの開発者たちが個別に拒否方向を解除する加工(abliteration)を施して公開している派生モデルです。
26B-A4B MoE と 31B dense はどう選び分ければよいですか?#
手元の VRAM 容量と求める応答速度によって選び分けます。
VRAM 16GB 前後の環境で軽快な応答速度を求めるなら、
活性パラメータが 3.8B に抑えられた 26B-A4B MoE が適しています。一方、
VRAM 24GB 前後の環境があり、
複雑な推論や高度な知識処理を安定して行いたいなら、
全層を密に計算する 31B dense が向いています。
配布元によってどれくらい違いが出るのですか?#
加工に用いたツール、対象とした層の範囲、
加工手法(ARA 方式や MoE 向けの EGA など)が異なるため、
実質的に別のモデルと言えるほどの差が出ます。
例えば同じ 26B-A4B でも、
KL ダイバージェンスを 0.04 台に抑えて元モデルの挙動を重視した版もあれば、
専門家ユニットまで加工して拒否率を 1% 未満まで削り込んだ版もあります。
拒否されないモデルの答えは正確ですか?#
拒否しないことと正確であることは別の話です。
abliteration は回答を止める仕組みを取り除くだけの加工であり、
知識の正しさや推論の正確性を向上させるものではありません。誤った情報がそのまま出力される可能性もあるため、
出力内容の事実確認は利用者が行う必要があります。
免責#
本記事は、AI による下書きをもとに、運営が事実関係を確認・加筆・編集して公開しています。
本記事は教育・研究目的の情報提供であり、違法行為や犯罪の助長を意図するものではありません。
数値は第三者の公開レポートおよび配布元の公表値であり、測定条件により変わることがあります。
本記事の編集と検証
公式ドキュメントや論文などの一次情報と照合し、客観的な事実に基づいて整理しています。
本記事は、AI による下書きをもとに、運営が事実関係を確認・加筆・編集して公開しています。
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